dream

現実には居ない、夢にだけ出てくる友人が何人か居る。名前までついている。
そして大概、そいつらはかなり酷い性格をしている。




ユミが、手伝って欲しいことがあるから、と放課後私を呼び止める。
先生に頼まれて教室の掲示物を外すということらしい。
邪魔になるのでブレザーを脱ぎ、椅子の上に載って画鋲を外す。
ユミは背が高いので、私は低いところを担当する。
終わって、彼女のブレザーを渡してやろうとつかんだが、やけに重い。
「何か入ってるの?」
「うん、いろいろ。」
外は既に暗く、残っているのは私たち二人だけのようだった。
じゃあ帰ろう、と私が促すと、
「もう一個手伝って欲しいことがあんねんけど…」
と口の方端をあげてユミが笑う。
別に良いけど、と言うと、学校の中庭へと連れて行かされる。
そこにはユミが銃殺したらしい女子生徒が居て、彼女が最近気に入らないと言っていた後輩かな、とのんきにそう思う。
「理科室まで運びたいんやけどさ。」
「えっ、四階やん…」
「うん、だから狩姫を呼んだ。」
体育会の例の競技で一位になってしまったから、ユミは私の事を力持ちだと思っているらしい。いや、実際そうなんだが、めんどくさい。
めんどくさいシーンは自動的に省いたのか、いつの間にか場面は理科室に移る。
これから後輩を解体してなんとかするとユミが言いだす。
さすがにそこまではしんどい、と私は辞退する。
ユミはじゃあひとりでがんばる、と理科室を物色し出す。
あーあ、ユミがいなかったら一人で帰るのか…とちょっと寂しく思っていると、後輩のスカートから財布が飛び出してるのを目にする。
「貰ってもいい?」
と聞くと、物漁りに熱中しているユミは、ごじゆーにーとぶっきらぼうに答える。
中身は2000円しかなくて、がっかりした。




あ、私もけっこう酷いやつだ。