breath

友人からのメールの返信を一時間くらいかけて作る。言葉がうまく選べなかった。
彼女の本職はギターボーカルなのだが、とあるバンドでドラムを担当していて、それをやめるという話を聞いたのが六日前、正式にメンバーから後任を依頼されたのが三日前、彼女自身と話をしたのが二日前。私はこの日まで、バンドに入るかどうかをずっと渋っていた。自信がなかったから。
彼女はえぐい女ばかりの軽音部の中で、オアシスとも呼べる癒し系の存在で、ギャーギャー騒いで悪目立ちする私とは全く違うタイプの子だ。もちろん私は可愛い女の子が大好きだから(笑)入部してきた途端真っ先に話しかけたけど、特に交流は強くなく一緒に行動することはあまりなかった。それでも彼女と真剣に対話してみると、ほんの少し前に私が思っていたことと、全く同じ事を思っていた。それは自分の必要性であったり、同じ場に居続けることの意義だったりして、ドラムだけでなく部自体もやめようと考えていたのを、私はしっかり感じ取っていたのだった。似たもの同士の思考なんて簡単に読み取れるんだよ。それで、ほんの少し前にそれを通り過ぎた私は、本音を並べて彼女を励ました。酒のせいで文脈はめちゃくちゃだったけど。
そして頑張るよとのメールがきたのが一日前。私もそのバンドに入ることに決めた。