前夜

変わること。失うこと。


終わること。


そのすべてが恐い。


ただ時間は一方向にしか進まないから。
私は抗うことなく流れていくしかない。
あれほど憎んでいたものが、
何故今更になって愛おしくなるのだろう。
ああ、もうすべてが終わってしまう。
でもまだ、今は前夜である。


私は後悔を残して終わる。
そう、私が私に宣告した。
できることなら、そんなことはしたくはない。
嫌だ、したくない。


私はあの夏に諦めたのだ。
私は何も超えることはしないと、決めてしまった。
冬に一度、超えようとやってみた。
春にはすべてを断ち切ろうとした。
しかし、できなかった。
私はまだ此処に居る。


つまらない感傷のせい?干渉のせい?
いや、つまらなくなんかないんだ決して。
今なら言える。
自身を持って言える。


後悔なんかしたくない。
したくないよ。