breath

風呂の中で今年の自分と音楽についてぼんやり考えてみる。今年はCD何枚買ったっけな、どれが一番良かったっけな、等々。そこで思うのが、狂ったように聞き続ける一枚のアルバムが一年通してなかったということ。それは別に良いアルバムが出なかったというわけではなくて、例えばレッチリの二枚組みは成熟したエンターティナーとしての出来を感じたし、邦楽ロックも段々勢いづいてきたと思う。ただ、自分自身がそこまで「音楽だけに」こだわらずに生活していけるほど、今年は充実していたのだという答えを出してみた。
確か去年はNine Inch NailsのThe Fragileを聴き続けていた。今でもこのアルバムは大好きだけど、あーこんな音重ねて作ってるんだ、とか、ここのリズムはかっこいいな、という風に曲を分解して聴くようになった。あの時はアルバムの中に自分が取り込まれた状態で居て、こんな聴き方はしようと思えなかったし、できなかった。どこの原料使ってるのか知らないけどこのメロンパン美味しくて好き、という風に、どういう構造してんのか理解できないけどこのアルバムは心地よくて好き、だったのだ。今後、狂ったように一枚のアルバムを聞き続けるという体験をしたいかどうかというのは、実に微妙なところ。その時の陶酔感の良さは確かに有るのだけれど、あまり健康的ではない気がする。
まあこのことは置いといて、大学に入り人と出会い、様々なジャンルの音楽を聴ける機会が増えて良かったです。私の所属する部というのがまさにそうで、管楽器の素晴らしさをここにきてようやく知った。最近私の影響でヘヴィ系に偏りつつあるうちの旦那さんも、テクノやら邦楽インディーズやらを色々教えてくれたしね。
ただ、私は音楽で生きていく人間ではないし、音楽以外の楽しみを他に持っている。音楽に対しての私のポジションは、一番人数が多いリスナーというところにあって、その目線を生涯持ち続けようと思う。