breath

大学でＬちゃん以外とはまともに会話しなかった。部活に関係ある人は誰であろうとも素っ気ない態度をとってしまう。繕う余裕、無し。
彼女はとても活動的で、尚且つ自分の話をするのが好き。昨日はどこへ飲みに行っただとか、バイトの面接をどんなふうに受けただとか、世の中を渡る上での考え方とか。おそらく普通のひとの三倍くらい、そういうことを語る。延々と。もし他の女の子が彼女と同じ量だけ自分語りを始めたら、あたしはブチ切れそうになると思う。てめえのチンケな与太話なんか、いちいち聞いてられる程暇じゃねぇんだよってな具合で。ひとはみんな、他人の一挙一動を全て知りたいわけではないし、知る必要もないし、好奇心が続くものではないでしょう？それでも彼女の話をすうっと聞いていられるのは、まず学識が豊かで説得力があるということと、自慢話の裏にはきちんとした足跡があることと、あと何だろう、乳がでかくて可愛いからか、いや違うな、よくわからない。とにかく聞いていられる。
これから先、そういう女の子にはなかなかお目にかかれないだろうな。そして、あんなに早死にしそうな子もいないだろうな。Ｌちゃんは普通のひとより三倍のボリュームの人生を送ろうとしているのだから。
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